注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。 -------------------------------------------------------------------------------- [編集] 主な登場人物 ここでは複数の編にまたがり登場する人物等を紹介する。 火の鳥 FX 人智を超えた存在で、100年に一度自らを火で焼いて再生(幼くなる)する事で永遠に生き続ける。元々は天界で飼われていたが、地上界に逃げ出した。人語を解し、未来を見通す。また、その生血を飲めば、永遠の命を得る事ができるという。呼称は鳳凰・火焔鳥・フェニックス(不死鳥)など。時空を超えて羽ばたく超生命体として描かれる。モデルは実在のキヌバネドリ目キヌバネドリ科の鳥ケツァール。その身体は宇宙生命(コスモゾーン)で形成されており、関わった人々の魂をも吸収して体内で同化し生かし続ける事も可能。話によっては人との間に娘を得ていたりもする。 なお、『ブラック・ジャック』等の手塚作品において「フェニックス」等の名前でしばしば出演しているが、基本的には普通の鳥として出演し、言葉は話さない事が多い。 猿田 FX取引、FX初心者、くりっく365、FX口座開設、FX資料請求 猿田彦、猿田博士、我王、鞍馬の天狗など、共通して大きな鼻の持ち主と運命付けられているが、それぞれの編の世界観に合わせ名前やキャラ、何ゆえにそのような大きな鼻を持ったのかの由来が少しずつ異なる[1]。作者自身がモデルという説もあるが、作者自身の自画像とは懸け離れている(作者自身をモデルにしたキャラは、乱世編に手塚太郎光盛として登場。おそらく同姓であるからと思われる)。猿田彦の犯した数々の悪行を清算する為に来世達は酷い目にあう宿命にあるが、罪の清算が終わりつつある結果として『鉄腕アトム』のお茶の水博士が設定された(アトム作中でお茶の水博士が事件に巻き込まれ酷い目にあったり果ては死にかけたりするのはまだ罪が残っている為、らしい)。 ムーピー FX いかなる厳しい環境にも耐えうる生命力を持つ不定形生物。巧みな変身能力を有し、人型をとり人間の社会に溶け込むこともできるが、その能力から人気が高く、狩られてしまうため、どこかの星で集団でひっそりと暮らしている。「未来編」では一種のテレパシー能力を用いた「ムーピー・ゲーム」が人類をスポイルするとして、保有を禁止されたペットであったが、主人公・山之辺マサトの恋人タマミはそのムーピーであった。寿命は人間より遥かに長く、500年位は生きられる。「望郷編」では人間とムーピーのハーフが繁栄する。 ロック FX 35世紀における都市国家メガロポリスヤマトの中央本部に勤務する1級人類戦士。エリートで、同期でありながら総合審査によって自分の部下となった「未来編」の主人公マサト(2級で宇宙飛行士である)に対して辛く当たるが、「未来編」において人間の愚かさを見事に演じ切ったキャラクターでもある。試験管ベビーとして誕生したので両親はいない。強いて言えば自分を生み出した精子と卵子を選んだ中央コンピュータ「ハレルヤ」が親。「大地編」では主人公として登場する予定だったようである。 ロビタ FX 26世紀、「復活編」にて主人公のレオナとチヒロが結ばれて誕生。臀部のベアリング(?)で滑るように動き(電子頭脳が大きくなりすぎてバランスが悪く、二足歩行を断念)、腕は2本指であり、構造は非常に単純。一方でレオナの記憶を受け継いだため、普通のロボットと違い人間臭い感情を持つ。稼動限界の後に業者が引き取って、その構造を模して記憶をコピーした物が量産される。技術の進歩によって、より精巧なロボットが造られても、ロビタはその人間臭い感情によって多くの人間に好まれ、数世紀にわたって量産されるが、その一方でロボットを人間の道具と考える人間にとっては極めて不快な存在でもあった。31世紀において、農場に迷い込んだ子どもを殺した罪(冤罪)で有罪の判決が下された際に、裁判官が個体ナンバーを特定できなかった為に、その時に農場で働いていたロビタ全員が溶解処置される。同胞をそのような形で失った世界中のロビタは集団自決を行い、稼動可能な物は全て溶鉱炉に身を投じる。月にいて集団自決に参加できず、エネルギー切れによる自決を選んだ最後の一体のロビタは、35世紀に猿田博士に救助され、「未来編」では猿田博士の助手として働く。 牧村五郎 「宇宙編」で登場するアストロノーツ(宇宙飛行士)。生まれた時からアストロノーツとなる事を宿命づけられ、外宇宙に地球由来の細菌を持ち込まないために、無菌室で成長する。初恋の女性に裏切られた事がトラウマとなり、女性に手が早くかつ冷淡である。その初恋の女性の幻に惑わされる形で異星人を虐殺し、その罪により火の鳥から永遠に生きる刑罰を受けている。「望郷編」において(おそらく刑罰を受ける前)、地球に帰郷する途中のロミと出会う。 チヒロ 精密機械局で作られた量産型の事務ロボット。2545号は「望郷編」にて地球に不法侵入したロミとコムを助け、61298号は「復活編」でレオナと出会い愛の感情を得る。チヒロ型の仲間は13,692,841体、ほかの型もあわせると世界に1,277,554,539体の仲間(おそらくロボットの総数)がいる。 八百比丘尼 「異形編」において無限に繰り返す時間に閉じ込められる。「太陽編」では、霊界の戦いで傷ついた妖怪の手当てを行う。自分で自分を殺すという宿命を負っている。 [編集] 火の鳥の各編 [編集] 黎明編(漫画少年版) 初出:『漫画少年』(1954年7月号〜1955年5月号)未完 [編集] エジプト編 初出:『少女クラブ』(1956年5月号〜1956年10月号) 天国で飼われていた火の鳥が、ある日脱出に成功し下界へと降り立つ。 [編集] ギリシャ編 初出:『少女クラブ』(1956年11月号〜1957年7月号) エジプト編の続き。 [編集] ローマ編 初出:『少女クラブ』(1957年8月号〜1957年12月号) ギリシャ編の続き。 [編集] 黎明編 初出:『COM』(1967年1月号〜1967年11月号) 3世紀の日本。ヤマタイ国とクマソ国の争いを舞台に、ヒナクとナギの姉弟、ヒナクと結ばれるヤマタイの間者グズリ、防人の猿田彦たちの数奇な運命を描く。ヤマタイ国がクマソを攻略した裏には、老いた卑弥呼が火の鳥の生き血を欲していたという事情があった。大和朝廷の成立については江上波夫の騎馬民族説を採用している(本作品執筆時には話題になった説だが、現在ではほぼ否定されている。作品中でも邪馬台国と大和朝廷の風俗が似通っているなど、矛盾した描写も見られる)。 [編集] 未来編 初出:『COM』(1967年12月号〜1968年9月号) 西暦3404年。地球は滅亡の淵にあり、地上に人間はおろか生物はほとんど住めなくなっていた。人間たちは地下都市“永遠の都”ことメガロポリスでコンピュータに自らの支配を委ねた。メガロポリス「ヤマト」と「レングード」の対立に端を発した戦争勃発で、あらゆる生物が死に絶える。独り生き残った山之辺マサトは火の鳥に地球復活の命を受ける。マサトは生物が絶滅してしまった地球で、再び生命が誕生し、進化を続けて再び人類が、人間が誕生する日まで見守り続けることを永い永い孤独の中で決意しなければならないことを悟った。ラストが黎明編へ繋がるような展開となっており、「火の鳥」全編の構成を示唆している。 [編集] ヤマト編 初出:『COM』(1968年9月号〜1969年2月号) 古墳時代の日本。クマソ国王の妹カジカと、ヤマト国の王子オグナの間に芽生えた許されざる愛の物語。オグナはヤマトタケル、クマソ国王はクマソタケルがモデル。『古事記』・『日本書紀』の日本武尊伝説と、日本書紀の垂仁紀にある殉死の風習廃止と埴輪にまつわるエピソードも下敷きにしている(埋められた殉死者のうめき声が数日にわたって聞こえたという元の伝承を、火の鳥の生き血の効果であるとし、期間も1年にわたっての事としている)。石舞台古墳造営にまつわるエピソードがあるが、史実ではもっと後代の古墳であり、殉死者が埋められているという事も無い。手塚治虫はあくまで『古事記』・『日本書紀』は伝説であって、実在の天皇家とは何も関係は無いとコメントしている。 [編集] 宇宙編 初出:『COM』(1969年3月号〜1969年7月号) 西暦2577年。ベテルギウス第3惑星から地球へ向かう宇宙船は、操縦者である牧村五郎の自殺によって事故に逢う。生き残った乗務員は宇宙救命ボートで脱出する。だが、自殺したと思われた牧村五郎には、火の鳥もかかわる因縁めいた過去があった。乗務員間の切ない愛憎のドラマ。 [編集] 鳳凰編 初出:『COM』(1969年8月号〜1970年9月号) 奈良時代。権力に翻弄される2人の仏師、茜丸と我王の宿命の戦いを吉備真備と橘諸兄による奈良東大寺の大仏建立を絡めて描く。火の鳥は我王に悪行のせいで子孫達が持つ事になる宿命を語り、怒りを奮起させる事で彼の腕をより上達させる。一方、悪党だった頃の我王に傷つけられた過去を逆手に取り、彼に罰を与えて都から追放する事で栄華を得た茜丸には、二度と人間には生まれ変われないという残酷な運命を彼の死の直前に告げる。苦しみに耐え続けながらも最後にはそれを肯定する我王、権力の庇護を得慢心に陥ってしまった茜丸の対比。人間の名誉と愛を望む醜さ、そして真の幸福とは何かと言った非常に深い題材を取り上げ、この「鳳凰編」を『火の鳥』全編中の最高傑作とみなす向きは非常に多い。ただし史実では橘諸兄によって重用されている吉備真備が、この作品では政敵として対立しているなど、史実の改変も多々見られる。K&Mにてフィギュア化されたのもこの話。